2020年4月18日土曜日

引き篭もりの中で


コロナ、コロナで大変です。スペイン風邪の流行から100年、僕の祖母も父が幼い時にスペイン風邪で亡くなっていますので1月に中国で怪しい事になっていると聞いた時に、ひょっとしてこれは?と言う予感みたいなものを感じたんですけど嫌な事に的中してしまいました。僕は仕事柄、人との接触は少ないんですがそれでも不自由ですね。

出るな!と言われても別に苦痛ではないんですけど写生に出かけようかと思っても気が引けますし、外でのお仕事の方は大変だろうと思います。世の中急変で人間がついて行けない状態、しかもそれが世界中なんですから相手の見えない戦争と言う事になるんでしょうか。

嫌な事ばかりでもありません。ベルリンフィルのデジタルコンサートではホールが休演中の為、1ヶ月間の無料チケットを配布しています。お陰様でどっぷり堪能させて頂きました。(僕は昨日で1ヶ月の期限が切れました) 特に僕の好きなヴァルトビューネコンサートは権利関係で見られない年度があったものの楽しませて貰いました。音楽が身近に感じられて僕は好きですね。日本でコンサートと言うとなんか堅苦しいイメージで捉えられるみたいですけれど、野外で皆んなで音楽を楽しむって素晴らしい事だと思います。日本の美術界も、もっと扉を開かないとと常々感じます。

普段はデンマークのDE P2とかフィンランドのKlassnenとかのインターネットラジオをかける事も多いですが問題は言語の壁ですわ。英語なら拙いオツムで何とかなるんですがデンマーク語なんてさっぱりプンプンなんでGoogle翻訳に突っ込んだり、画像を見て想像したりでやってます。その辺りは適当に。
映像が無いので(ラジオやから当たり前ですけど)こう言うベルリンフィルみたいな映像付きもたまには良いです。ずいぶん以前に一年チケットを買ったこともありましたけど、いつでも見られると言う事は何時でも見ないと言う事になり、ライブ配信も時差の関係でほぼ見なかったりで継続はしなかったです。 

このウイルスもいつ頃になったら終息するのか分かりませんが個々人が気をつけるしか仕方ないですね。どうしてもの外出時にはマスクを忘れない様にしてお互いに気をつけましょう。





2020年4月16日木曜日

ちょっと写生について書いてみた。


少し写生のことを書いてみようかと思います。一番の基礎でありながら一番疎かにされがちな作業でもあります。と言うのも無理は無いのですけれど別に楽しいわけでも無いし晴れやかな仕事でも無いし、と言うことで僕の日本画教室の人達にもややもすれば敬遠されてしまいます。

アマチュアの方がじっくりと写生をする時間も中々取れないでしょうし、早く描きたいと言うこともあり(まあ判るんですけど、、、)手っ取り早く写真でぇ〜となるんですね。確かに写真という手を使いたい気持ちは分かりますけど一度は写生をした方が良いよ、と言う事にしています。どうしても!と言うんならモノクロで。カラーはダメよ、と言ったらデジカメをモノクロに設定する仕方が分からん!と言われて絶句です。

それはさておき、学生の頃にモチーフを描くのでは無くて周りの空気を描いておいで、と先生から言われてその頃はサッパリ?でしたが、そのうちに写生無しでは描けなくなり次第にその重要性が身に付いてきたと言う感じです。口で言い表せないですが、それが写生つまり生を写すと言う事であり、汲み取った命を作品に吹き込むと言う事なんだと思っています。しかし、今でもついサボりたくなる作業でもあります。

切ってきた枝の花はダメですよ、こたつに入って描いた梅の花は死んでるよとか先生からよく聞きましたね。まあ、そう言う辛い事の積み重ねでもあるわけですが。教室でそんな難しいことを言っても仕方ないですから、とにかく夢を描いて下さいとだけ言っています。そもそも絵とはなんぞや?と言う難解に僕が出した分かりやすい結論が夢を描くと言う事だったんで、そう言う事にしています。形なんかは次第にかける様になるから少々歪んでいても良いです。それより大事な事がありますよ、と言ってきました。

誰でも通ってくる道とは思うんですけど最初は形に拘りますねぇ。僕の経験では朝から晩まで一週間も通ったら形なんて次第に描ける様になりますよ。そうした中から自然の命を汲み取るんですけど、これもやってる間に勝手に身に付いてくるように思います。ただ、自分で上達している事が解らないんだと思います。先達の写生なんかでも特に矢立(墨を使った写生)では何が描いてあるのかよく解らんのも結構あって、でもちゃんと感じるんで生命を。日本画ではそう言う目に見えないことの鍛錬が必要です。

よく一枚描くのにどれくらいの日数がかかるんですか?と尋ねられますが、この程度の感覚しかお持ちでないんだなあと思うこともしばしばです。時間に置き換える事は出来ません。