2020年11月19日木曜日

SIGMA SD Quattro つづき

           

僕の記憶ではSD Quattroを発売された当時カメラ屋さんで触ったと思います。その時はどうなんかなあと思っていました。むしろSD1の方に気が行ったのですけどデカいなあという印象でした。どうもSD QuattroのEVFが気になっていたように記憶しています。まあ、EVFは今まで何度か使っているし気にすることも無いんだけど。

今の所、僕はこのSIGMAに大満足。家の中から夕焼けを写したり、庭の紅葉を撮ってみたりとゆっくり時間を取れないので、申し訳程度に近くの紅葉を撮ってみました。(X3FをAUTOで現像)ファームウェアを最新にアップデートする事で迷いがちだったAFもEVFもストレス無く使えますし、以前から持っていたレンズも問題なくAFが作動します。

今までと同様、手ぶれ補正とか便利な物は付いてないのでブレには結構気を遣います(OSのレンズを持ってないんで) 一脚を使うとか僕は卓上三脚を胸に当てて撮るとブレにくいので結構使います。操作性は随分良くなっていて二面の液晶も判りやすいし、設定変更もクイックアクセス出来て不自由は感じません。複雑な設定をあまり使わないし老いぼれは直ぐ忘れてしまうので基本的な変更さえサッサッと出来れば良いので。カメラの重さなど考えるとグリップはなんか工夫したいなと思っています。

専用ソフトのSigma Photo Proも随分変わってきたように思いますね。動作がもっさりしているのは相変わらずだけれど(僕のMACが遅いのか!)写真が作品として仕上がるように振られてきているように感じます。暫くPhoto Proを使わなかったので余計その様に思うのかも知れないけれど、AUTOで現像すると明らかに作品としての仕上がりを意識したような画像を作ってくるし楽しい。自分が意図した絵と重なる事もあれば、ちょっと違うぞと言う事もあるけど。

他にも皆さんがいろいろ書かれているので僕も感じる所は同じですが、ガンガン使うことも無くてたまにフラッと出掛けた時に使う位なんで少々の不自由は我慢できます。ま、自己満足という所でしょうか。風景を撮っても電線が気になるんですけど絵なら描かなければ良いだけなのに否応なく写っちゃいますから。絵から見たら写真って結構不自由だなと思います。


2020年11月8日日曜日

性懲りも無くSIGMA SD Quattro


新型コロナで大変な事になっていますけれど、幸い僕の仕事は籠もって絵を描く事なので、巣ごもりとか言う事になるんでしょうかね。出来るだけ出掛ける用事を減らすので、仕事がゆっくり出来る環境になっています。先日、知り合いとデジカメの黎明期の頃は面白かったなと言う話に花が咲きました。丁度、阪神大震災の復興で、重かった当時のフラッグシップカメラを三台も首にぶら下げてルミナリエに行った人や、画質は良かったけど電池が持たなかったカメラとか、不自由なデジカメを使い続けた事とか。確かデジ一は出始めた頃でとても高価だったと思う。

僕が最初に買ったデジ一眼がシグマSD9と言うじゃじゃ馬カメラで当時から唯一のフォビオンセンサー搭載機であった。他のメーカーを色々考えたけど、このフォビオンの絵を見てしまうと普通のベイヤーパターンの絵に納得できなかった。動作はのろいしバッテリー食いでデカいと来たら良い所なしに思えるけれど僕はこれしか納得できなかった。絵描きの目で見て(としか言い様が無いけど)唯一、絵に力を感じた。

大阪まで買いに行き、お店ではなんでシグマなんですか?と聞かれる始末。この値段ならもっと使いよいカメラがありますよと迄言われたけれど頑なにシグマに拘った。以来SD10,SD14と買ってきたけど相変わらずどれもじゃじゃ馬だったものの、それでもゆっくり進化していた。

他に色々な事情から作品の撮影用を兼ねてCANONのEOS1Ds(新品はとても手が出ない値段だったので良質の中古)を買いレンズも一通り揃えた。たまに息抜きに出掛けてもパッパッと撮れて機敏だし納得行く絵が撮れた。当時としては珍しくRAW出力もあった。(写真を見て絵を描かれるんですか?とよく尋ねられる事もあるが然にあらず、写真という物は絵と似ているようでまるで別物、完全な僕の道楽である。正直、納得する写真を撮るより絵を描いた方が楽である) 以来EOS1Dsは約15年以上僕の作品も撮り続けてきた。勿論、僕が撮るのは自分の記録用で本格的用途では無い。

年のせいか大きく重いカメラを持ち歩きするのが億劫になり、代わって小さなGM1が増えたが、やっぱり楽しみも大きさに比例する様に思える。ワクワク感に乏しいしファインダーが無いのもやはり気分が乗りにくい。

機械好きとしてはなんかアクションが欲しくなってきた所へ久しぶりにSIGMAさんのサイトを見てやっぱりフォビオンは良いなと思った。こうなったらもう止まらない。最後のSAマウントと言われれば買うしか無い! SD Quattro に決めた。Quattro Hと言う選択肢もあったけど多分手ぶれ連発!を予想してQuatroで止まる事にした。

もしSIGMAを考えておられる方がおいでになったら出来るだけ実機を触られる事を勧めます。画質はピカイチですがその他はイマイチです。どこのサイトでも書かれていますが、僕もSIGMAが初めての方にはあまりお勧めしません。でも、以前のフォビオンからはすごい進化だと思いますし裏切りません。久しぶりのワクワク感に浸っています。

長くなってきたので又次回書く事にします。



2020年9月16日水曜日

音楽配信 Deezer




すみません。長い間投稿が途絶えてしまいました。とにかく大急ぎ!と言う仕事が入って来て、それはお盆過ぎに終わったのですけど今度は僕の足が思う様に動かなくなり、と言うより少し無茶をしたのが祟ったのです。いや、もう歳を取ると言うことはこう言う事か、、、と無理をせずに暇が出来たら読書に浸っておりました。

音楽を聴くのも老人耳が進行して高音から次第に中音にまで減衰が激しくなり、以前の様に美しい中音が聞こえ辛くなると何もやってられませんね。でも人間には脳内補正という便利なものがあってそれなりに楽しめます。もちろん会話に影響が出ると言うほどではないのですけれど。勝手なもので音域と音質は別物で正しい音域が聞こえていないと言っても音質が悪いとこれはハッキリ解ってしまうので困ったもの。機材を移動するにも足に力を入れるとバキッと痛みが来るので放っていました。ようやく殆ど痛みも取れて正常に戻ってきたのでやれやれです。

先週あたりからボチボチと活動再開ですけど、ストリーミングが席巻してCDをかけないと言う生活が当たり前になりつつある様ですね。僕も以前からあれこれ試し聞きをしているんですけれど出来れば無圧縮で送り出してくれる所で料金が安いところなんて虫の良いことを言ったらなかなか見つからなかったんです。ストリーミングなんて一杯あるんですけど変に拘ってしまうとね。どうせ老人耳なんでハイレゾなんかは不要なんですけど圧縮音だけは何か耳に刺さるところがあるので避けたいし、まあ勝手なもんです。(ゴチャゴチャ言わずに金払え!と言われそうですけど)


粘っていた甲斐あってやっと見つかりました。Deezer Hi-Fiと言うのを見つけました。なんで今まで気がつかなかったんだろう?僕のググり方に問題ありか?ロスレス配信でCDと同音質と言うのが謳い文句です。ダウンロードも出来るらしい。フランスからの配信で2017年から日本でも始めていた様ですけど知らんかった。登録して(PaypalでOKやった)聞いた時にこれに決めた! ユニバーサル系が多い様でマイナーレーベルは少ない様に思うけど楽曲の多さも良いし音質的には問題なしです。

iMacからUSBで取り出してDAコンバーター経由で聞いています。楽しいですね。



2020年6月24日水曜日

蛍袋が一杯


庭の蛍袋が満開です。ここへ引っ越してから道端にでも一杯咲いているので珍しい事もないのですけど、僕はこの花が好きで随分たくさんの絵を描かせてもらいました。いつの間にか庭のあちこちに咲く様になり、年によって白が増えてきたり赤が増えたりしながら今は赤の方がたくさん咲いてます。どう言えば良いのか解らないですけど、この花を見ていると心休まる気がするのです。先日の雨では少しいじける程度でしたけど、流石に明日からの雨では終わりでしょうね。写真は三日くらい前のものです。

あまり絵に描かれる事もなかったのでしょうけど僕は自分が好きなので描き出したら、いつの間にか画廊さんの間でも寺田さんと言うたら蛍袋みたいに言われたりしました。まあ、珍しかったのでしょう。特にガラス絵のモチーフとして最適に思いましたし、何より自分が好きな花というのは自然に力が入りますからねぇ。

自分からアピールしてくる様な花ではないですが、何となく惹かれます。何度写生しても飽きないですし描くたびに新しいイメージを沸かせてくれます。じっと見ているだけども頭にフッと出来上がりが浮かんできます。まあ、こんな花なんで大作は無理ですけど小品には多分死ぬまで描くでしょうね。


2020年6月17日水曜日

柳の下に泥鰌が二匹いるかな?


現行iMacのSSD化で気を良くしたので、10年前のiMacが果たして蘇るか?と言う単なる趣味に任せてSSDを外付けしてみた。ダメな時はSSDをWindowsに使うとかいろいろ他にも考えられるのでやってましょうと。様々な思惑もあり、バッファのない少し安いBX500を使って同じ様にやってみました。ほんでどうするん?と言われたら元も子もないんですけど、単にやって見たかっただけなんです。何せ10年以上使った代物なんで石もCore2だしメモリも6GBなんであんまり期待せず、おまけにHDDは一度交換済み。音楽サーバーくらいに使えたらと思ってました。

Windowsと違う楽しみみたいなのがMacにはあるけど、Catalinaに上げたら32bitの互換がなくなるとかはやめて欲しいな。あまり使わないけど時々使う的な物をどうするか?古いけど使い勝手が良いとかいろいろあるでしょ。と考えた時にやはり使えるのなら使いたいねと言うのが人情でしょう。

とりあえず接続して同じ手順でクローンを作成。起動したら、流石に柳の下に爆速泥鰌が二匹とはいかないですけど十分実用になるレベルです。現像ソフトも問題なく動くし(メモリークリーナは頻繁に働くけどね) 今はClassic managerが機嫌良く動いています。本当にCDも買わなくなりましたね。クラマネは僕らの世代に馴染みの演奏家も多く古いモノラルとかも一杯あって安くて楽しみも多いです。あんまり聴かないけどジャズもあるし。

丁度、HDDを交換してから5年位なるのでボチボチメンテの頃やし、ここでSSD化したらええやんと自分で勝手な理由をつけてやりました。なんぼでもPCが増殖してどないすんねん!


2020年6月10日水曜日

余呉湖へ行ってきました。


ちょっとした用事も有ったし久しぶりに余呉湖まで出かけた。子供の頃、冬に雪で孤立した余呉にヘリコプターから物資を投下したなんて記事が新聞に出た事を覚えている。その頃はどんな所なんだろうと想像したもんです。まず二階から出入りをすると言うことの感覚がわからず、でもそんな所へ行ってみたいと言って叱られたことがある。(子供なら誰でも一度は思うだろうけど?)

学生時代に余呉まで写生に出掛けるべし、だったのが列車の都合で米原までしか行けず仕方なく米原の山を写生した記憶もあるんですけど、今は交通の便が飛躍的に良くなり又、滋賀に住んだことも手伝って午後から出ても悠々と少々スケッチする位の時間を確保できるくらいです。父の友人からも余呉湖は絵になるとよく聞いたことがあるけど、今でも確かに何かしらの神秘性を感じますね。

孤立湖で流入河川はないけれど、賤ヶ岳からの湧水はある様です。湖面はいつもゆったりとして絵を描くにはちょうど良い大きさの湖なのかも知れない。今日は写生の用意もしていなかったし(ゆっくり時間もなかった)写真だけ撮ってノンビリしてきました。

羽衣伝説とか地元は観光もあっていろいろやっておられる様だけど(天女が羽衣をかけたとされる柳は台風で折れたみたい)そんなこととは関係なくいつも静かで穏やかな湖です。
折角、木之本まで出かけたのでバッチリ桑酒を買ってきました。七本槍も買いたかったけど日本酒が余っているので又今度。

2020年6月2日火曜日

彩正会25周年記念画集


昨秋、二十五周年の記念展覧会を無事に終えて益々意欲満々の日本画教室の生徒さん達ですが、地元の多くの方達の支えもあって記念画集を刊行することになりました。費用その他(幸い強力な後援者もあったので)生徒さんには極力迷惑にならない様に、出来る所は僕がやることにして編集作業を引き受けることにしました。素人仕事なりの苦労もあったものの無事に出来上がって来て、あちこちと知り合いの方々にも持参して様子を話したり、遠方の方にはお送りしたり、とりあえず一頻りです。

印刷、製本などチョイかじり程度の知識しかなく、作品の写真は一応カラーチャートも撮影して色合わせができる程度にはしていたものの、これを機会に勉強することに。それでも悪戦苦闘している間に何となく出来てくるもので最終原稿を印刷所に渡して確認していただいた時は冷や汗ものです。これならOKの返事はもらったものの、試し刷りと言う訳には行きませんかと聞いたら出来ますけど高くつきますよの返事。これも困ったもので、大丈夫ですかねと言うとこのデータならまず心配ないですよ、と言われてそれならお願いしますと言ったものの一発勝負で200部を頼むのですから、出来上がってくるまでの二週間ほどの長かったこと。発送完了のメールを貰っても現地直送にしていたので僕は見られません。翌日、生徒さんから、ものすごく良いですよと連絡をもらってようやく一安心でした。

今までお世話になったお方とか、生きていますよの便りとしてお送りしたけれど皆さん良かったと言ってくださり、今更ながら頑張って良かったと思っています。良い経験だったけれど、もう一度と言われたらハイハイと即答できるかな?

2020年5月28日木曜日

桑酒


今は出るな出るなで動けませんけど少し前の話。長浜近辺にに出掛けると、桑酒を蔵元でなくても見かけるので、買ってくることがある。とろっと甘いので好みはあると思うけど、お酒というよりリキュールが正しいのやろなあ。体にも良さそうとは勝手な言い分。ただ、売り切れていることがあったり、コロッと忘れて手ぶらで帰ってくることもある。

木之本の酒造元が作っているのに同じ滋賀県の大津ではあまり見掛けないしなあと思いつつ、まさかとは思ったけれど検索してみた。なんと便利な世の中ですねぇ、プライムで明日届けるよと言っていますよ。 いつも思うことなんだけど、これどうなんでしょうね。お店に行っていろいろ見ながら、これ良いな、あれいいなと品物を選んで店の方とも話をしながら買うと言うのが本来のような気がします。確かにクリックしたら一発でOKとなって買いに行く手間も要らないし持ってきてくれるし便利な事この上ない。ただ、お店の方ともいろいろ話しながらついつい余計なものを買うというのが楽しみなようにも思う。

まあ、お酒に限らず特にオーディオ店なんてその典型で随分無駄なものも買った。しかし、それこそが楽しみでありお店の売り上げにも貢献して僅かとはいえお金がくるくる回り出すような気もする。と言うのは好きな人間の言い訳らしいけど、僕も随分無駄なものも買った。無駄の美学だ!と勝手な言い訳を呟きながら色んなもの (小指以外!)に手を出して来たけど、合理性の一点張りでは世の中成り立たないぜ!と言うのはもう化石人間になりかけているのかねぇ。


2020年5月15日金曜日

餅をついてアラレにした。


少し明かりが見えて来たというものの毎日がなんとなく重苦しい空気ですね。21世紀とは思えないと言う事が言われますけれども何時も人間が一番なんて勝手に思っていたら思わぬ落とし穴がありました。あるコラムにウイルスだって生き延びるのに懸命なんですよ、と反対側から見た事が載っていましたけどヤツらも生きていくのに最適な宿主を探しているという事なんですな。見方色々とはいえ早く終息してくれることを祈るだけです。

仕方ないのでという事では無いのですが、餅つき機で餅をついて霰を作りました。毎秋、丹後の農家から餅米を分けてもらうのですが30kgが単位ですので流石にこれは余ります。カミさんが赤飯なんかで消費に努めるんですけど二人では大して消化出来ません。思い付いたのが霰にして食べようという事です。去年、煎って砂糖をまぶしたおやつにしたら美味しかったんです。古米になってしまった餅米をついて、餅きりで切って霰にしました。根気よく半日がかりで切ったけど一臼でも結構ありましたわ。腰痛かった。梅雨になる前でないとカビきたら大変やから。

何でも自家製ですけど、まあ変な添加物なんか入らないですから安心です。材料、道具なんかありますからねぇ。餅切りも数十年前に買ったんですけど、出番は年に一度ですから、使わんと勿体無いですし、第一お米の処分に困るし大家族の頃は良いですけど今の様に二人になってしまうと沢山も食べられないし、時代の移り変わりですね。


2020年5月11日月曜日

爆速Mac


去年買った何ともノロいiMac。メモリーが8GBは少ないかな?でもCore i5やしな、と思いながら特価の札に釣られて、まあ良いかなんて思って買ったものだから仕方ないと諦めてた。Windowsで8GBあれば不足ないしMacOSは比較的軽いからと言う思い込みもありました。開けてびっくりで爆ノロ!これなら10年前のと変わらんやんけ!

流石に古くなったんで買い替えたのに意味ないやんと諦めてました。一年弱、なだめ乍ら使ってましたけどその内に何となくHDDがノロいんと違うか?回転数なんぼやろ?メモリーの使用量を監視しててもそこ迄使ってないし、息子が勧めるSSDに交換?は難しい。しかし、Webで情報を漁っていたら外付けSSDから起動したら良い事がわかった。

ダメ元でやってみるか、とSSDとケースを買った。安くなりましたねぇ、内臓HDDと同じ容量で1TB。Carbon Copy Clonerと言うソフトを使ってクローンを作りそれから起動。いや何とびっくり爆速Macに大変身。photoshopも爆速起動で、大満足です。これなら捨てるかと思っていた旧iMacもSSDにして復活させるか?なんて考えます。こうしてPCは幾らでも増殖するんですけどね。ただMacOSも10.15Catalinaになって32Bitアプリが動かなくなり不便なところもあるんで古いiMac(当然32Bitも動く)もやるでしょうね(多分?)

絵も描かんと何やってんだよ!と思いながらもやっぱりノロいのは気になりますからねぇ。折角買ったのがノロいと嫌ですから。めでたし、めでたし。
気分も晴れたし頑張って絵を描こ!


2020年5月6日水曜日

今日は膠の事でも。


折角の好天に恵まれた連休でしたのにコロナの影響で外へ出る事もままならず、なんともという日が続いています。庭の花だけは季節通りに綺麗に咲いています。今日は膠の事でも少し書いてみようかと思います。

学生の頃からの付き合いになりますけど、三千本、平膠、板膠、鹿膠、粒膠など種類は多いものの需要難とか材料難とか、最近は良い膠に出会わなくなりました。僕は今の所、粒膠を使っていますが、一番使い易いと言うか比較的安定した品質の様に思います。規格などがあるわけもなく製造所によっても強さなどが違うので自分で試すしか無いですね。他にもっと良いのがあるかも知れないのですけど

学生時代に先生の勧めなどから鹿膠を使い出して一番良いと思って長年使いましたが、何となく相性が悪くなって止めてしまいました(質が落ちたらしい)。教室の生徒さんにも粒膠を薦めています。そんな趣味で描いている生徒に本膠なんか使わせる事ないよ、と言う声も聞こえて来たりしますが、僕の教室では最初から本膠です。液体膠と言うのが市販されていて簡単で使い勝手が良い様に思われますけれど何ともこれが曲者でして、寒くても凝らないし暑くても腐らないというのですが接着力は弱いし、絵具を重ね難いしと何とも使いにくい。

そんな事から生徒さんには、面倒ですけど膠は自分で溶いて下さいとお願いしています。1、2時間位前に水か、お湯に浸けておくと簡単に溶けます。本膠を溶いた方が安心して絵を描けます。最初は何ccの水に何gですかとか聞かれて困ったんですけど、その内に自分なりの濃さを見つけてくれました。液体膠も使い道によっては良いのでしょうけれど。

膠を製造される方はただでさえ需要が少ないんですから、大変だろうと思います。僕が使っている粒膠もだんだん袋が小さくなってきました。需要が細って来ているんでしょうか。自分に合った膠を見つけると言うことすら難しくなって来た様です。かと言って大量に買いだめするのも考えもので、僕もやった事がありますけれど質が変わってくる様に思います。本来、日本画はゆっくり時間が流れていた時代に確立して来たものなので、手間が掛かる様に出来ているんだと思っています。写生ー小下絵ー草稿ー本紙と、一枚の絵を仕上げるのに最低でも三回は描いていく事になります。なかなか即席に、と言う訳には行きませんね。


2020年4月18日土曜日

引き篭もりの中で


コロナ、コロナで大変です。スペイン風邪の流行から100年、僕の祖母も父が幼い時にスペイン風邪で亡くなっていますので1月に中国で怪しい事になっていると聞いた時に、ひょっとしてこれは?と言う予感みたいなものを感じたんですけど嫌な事に的中してしまいました。僕は仕事柄、人との接触は少ないんですがそれでも不自由ですね。

出るな!と言われても別に苦痛ではないんですけど写生に出かけようかと思っても気が引けますし、外でのお仕事の方は大変だろうと思います。世の中急変で人間がついて行けない状態、しかもそれが世界中なんですから相手の見えない戦争と言う事になるんでしょうか。

嫌な事ばかりでもありません。ベルリンフィルのデジタルコンサートではホールが休演中の為、1ヶ月間の無料チケットを配布しています。お陰様でどっぷり堪能させて頂きました。(僕は昨日で1ヶ月の期限が切れました) 特に僕の好きなヴァルトビューネコンサートは権利関係で見られない年度があったものの楽しませて貰いました。音楽が身近に感じられて僕は好きですね。日本でコンサートと言うとなんか堅苦しいイメージで捉えられるみたいですけれど、野外で皆んなで音楽を楽しむって素晴らしい事だと思います。日本の美術界も、もっと扉を開かないとと常々感じます。

普段はデンマークのDE P2とかフィンランドのKlassnenとかのインターネットラジオをかける事も多いですが問題は言語の壁ですわ。英語なら拙いオツムで何とかなるんですがデンマーク語なんてさっぱりプンプンなんでGoogle翻訳に突っ込んだり、画像を見て想像したりでやってます。その辺りは適当に。
映像が無いので(ラジオやから当たり前ですけど)こう言うベルリンフィルみたいな映像付きもたまには良いです。ずいぶん以前に一年チケットを買ったこともありましたけど、いつでも見られると言う事は何時でも見ないと言う事になり、ライブ配信も時差の関係でほぼ見なかったりで継続はしなかったです。 

このウイルスもいつ頃になったら終息するのか分かりませんが個々人が気をつけるしか仕方ないですね。どうしてもの外出時にはマスクを忘れない様にしてお互いに気をつけましょう。





2020年4月16日木曜日

ちょっと写生について書いてみた。


少し写生のことを書いてみようかと思います。一番の基礎でありながら一番疎かにされがちな作業でもあります。と言うのも無理は無いのですけれど別に楽しいわけでも無いし晴れやかな仕事でも無いし、と言うことで僕の日本画教室の人達にもややもすれば敬遠されてしまいます。

アマチュアの方がじっくりと写生をする時間も中々取れないでしょうし、早く描きたいと言うこともあり(まあ判るんですけど、、、)手っ取り早く写真でぇ〜となるんですね。確かに写真という手を使いたい気持ちは分かりますけど一度は写生をした方が良いよ、と言う事にしています。どうしても!と言うんならモノクロで。カラーはダメよ、と言ったらデジカメをモノクロに設定する仕方が分からん!と言われて絶句です。

それはさておき、学生の頃にモチーフを描くのでは無くて周りの空気を描いておいで、と先生から言われてその頃はサッパリ?でしたが、そのうちに写生無しでは描けなくなり次第にその重要性が身に付いてきたと言う感じです。口で言い表せないですが、それが写生つまり生を写すと言う事であり、汲み取った命を作品に吹き込むと言う事なんだと思っています。しかし、今でもついサボりたくなる作業でもあります。

切ってきた枝の花はダメですよ、こたつに入って描いた梅の花は死んでるよとか先生からよく聞きましたね。まあ、そう言う辛い事の積み重ねでもあるわけですが。教室でそんな難しいことを言っても仕方ないですから、とにかく夢を描いて下さいとだけ言っています。そもそも絵とはなんぞや?と言う難解に僕が出した分かりやすい結論が夢を描くと言う事だったんで、そう言う事にしています。形なんかは次第にかける様になるから少々歪んでいても良いです。それより大事な事がありますよ、と言ってきました。

誰でも通ってくる道とは思うんですけど最初は形に拘りますねぇ。僕の経験では朝から晩まで一週間も通ったら形なんて次第に描ける様になりますよ。そうした中から自然の命を汲み取るんですけど、これもやってる間に勝手に身に付いてくるように思います。ただ、自分で上達している事が解らないんだと思います。先達の写生なんかでも特に矢立(墨を使った写生)では何が描いてあるのかよく解らんのも結構あって、でもちゃんと感じるんで生命を。日本画ではそう言う目に見えないことの鍛錬が必要です。

よく一枚描くのにどれくらいの日数がかかるんですか?と尋ねられますが、この程度の感覚しかお持ちでないんだなあと思うこともしばしばです。時間に置き換える事は出来ません。


2020年3月27日金曜日

墨の下地仕事


この前は草稿の重要性について少し書きました。その続きと言う事では無いですけれども本紙に念紙して形を写し取ってからの事を少し書いてみたいと思います。僕も若い頃は早く本紙に取り掛かって描きたいと言う気持ちが強かったのですが次第に慌てなくなりました。日本画という分野は精神的な物を大変重要視しますのでゆっくりゆっくりと仕上げて行きます。さて、写し取った本紙に骨書き(こつがき、ほねがきではありません)といって面相筆など細い筆を使って写し取った線の上を少し薄い目の墨で形をしっかりと書いて行きます。

最近はサインペンでも色々な種類が出ていますのでアマチュアの方などは使い勝手が良いと思われたものを使われても良いと思います。水性のものでも乾いたら不溶性になるものも多いですから後でにじむと言うことがなければ良いと思いますが、基本は墨です。

これからいよいよ本紙に取りかかりますが、前にも書いた様に岩絵の具というのは最初の色が最後まで微妙に透けて見えますので下塗りも疎かには出来ません。僕は基本的に墨を使って下地を作って行きますが、これは人それぞれで黄土を使う方もあれば金を使われる方もありますけど多分墨を使う人が多いのでは、と思っています。昔から墨に五彩ありと言いますからね。

墨絵と言うと少し意味が変わってしまいますけど薄墨を使って下地を作って行きます。丁寧な方だと本当に墨絵の様になさる方もありますし、真っ黒に近いほど塗り込まれる方もあります。僕はどちらかと言うとその中間あたりでしょうか。若い頃は真っ黒になるまでやった事もありますけれど後が大変なんで。相当塗り込まないと黒っぽい墨の色がいつまででも出て来て、黒ーい画面になってしまうので程々になりました。

これが出来て初めて岩絵の具と言う事になります。何時も感じる事ですが、ここまで来るのが大変です。先輩方からも墨の仕事は面倒やけど、これをやっておかないと仕上がらんしなあ、とよく聞きました。取り敢えず、ここまでが下地と言う事になるのでしょうかね。写真は適当なものがなかったので、あまり内容とは関係ないです。



2020年3月16日月曜日

ちょこっとオーディオ



随分と前の事になるけれどMATRIX社と言う中華製の DAコンバーターを確か上海だったと記憶しているけれど代理店から購入しました。その頃に見かけたWebを参考にしてコンデンサーなど交換しながら自分の気に入った音に時間を掛けながら仕上げて行った代物を現役と言うより常用しています。

今はこのメーカーの代理店も日本にある様ですけれど当時は現地から送って貰うしか方法がありませんでした。何年も前に中国から個人輸入というのでそれなりに気を使いましたけど確か支払いはPaypalだったので思い切って注文したことを覚えています。(この代理店は大丈夫よと言う情報を信じて発注)

よく馴染んで響きよく鳴ってくれるのでデジタルは殆ど全てこのコンバーターでアナログ変換させています。特にこの頃の様にネット経由でも音質劣化が少なく送られてくる様になるとCDに取って代わって MAC経由で音楽を垂れ流すには大変便利であります。

特にクラシック好きにはインターネットラジオを使うとヨーロッパのオンデマンドなど(特にデンマークのDR P2はライブ録音など多いのでお気に入り)音質も良く、チャンネルも多いので飽きないですね。昨日、ベルリンフィルのデジタルコンサートホールからメールで新型コロナウイルス対策の一環として今月中無料開放されるとありました。早速、無料チケットで聴いています。

こういう放送をMACを使って垂れ流しておきます。絵を描いていて邪魔と思えばブチっと切ってしまうだけなので我が儘そのものですけどね。


2020年3月14日土曜日

草稿を描かねばならない



草稿は単なる下絵では無いと書きましたけど、これが中々伝わりませんね。僕も学生の頃に先生から言われて線描きの草稿から完成イメージは中々作れなかった思いがあります。やっている間にいつの間にか出来る様になったと思っています。昔は草稿も墨で線描きでしたから消す事が出来ず、何度も紙を貼ったりして訂正されています。先達の先生方の展覧会などで草稿が展示されているのを見かけられると思いますけれど、そういうイメージで草稿を見て頂くと良いと思います。

今は基本的に鉛筆を使いますので消しゴムで消せますが最終は墨で書いたり少し楽してサインペンで書いたりして最後の線を決めます。場合によっては色をつけたりもしますが、基本的に色をつけるとそれに誤魔化されて却って曖昧になる気がするので僕はあまりやりません。

写真の草稿は以前に依頼されて描いた衝立の部分です。畳んだりしているので、結構シワになっていますけれど、花の部分などは紙を貼って位置を変えたり書き直したりしています。最終の線を墨で書き込んでから汚れた部分を消していますので比較的綺麗に見えますが、ああでも無いこうでもないとやっている間に黒く汚れて訳が分からなくなる事もあります。鉛筆で少し影をつけたりして、調子を見ながら完成時のイメージを頭に描きます。この作業が終わって初めて念紙を使って本紙に形を写し取ります。

作品の制作途中に何時でもこの時点の気持ちに戻れる様に壁に貼っておく事も多いです。
風景の時など、どんどん塗り重ねると線も消えて行くのでザックリで良いという人もおられますが、僕は線の問題では無くイメージを固める作業が大切だと思っているので相変わらず同じやり方です。これは人それぞれですが、何れの場合でも草稿は重要だという事に変わりありません。

日本画の場合は本紙に写し取った最初の一筆が最後まで影響して来ますので最初の一歩で間違うと中々仕上がらず、やっと出来た と思ったら草稿の時と全然違うイメージの作品になったしまったと言う事になったりします。草稿を道しるべとして進んで行くのですがその道標がグラついたら何にもならないですから。



2020年3月5日木曜日

取り敢えず日本画の岩絵具



方針転換したものの、どんなことから書いたらよいのかなぁと思っています。日本画と言うと墨絵ですか?と聞かれる事も多く『はっ?』と思う様に一般にはこんな事も知られていないのかと思う事も多いです。ご存知のお方は何だそんな事と思われるかもしれないですが、日本画で使う岩絵具というのは、不透明絵具と透明絵具の両方の性質を持っています。岩絵具は本来様々な石を砕いて絵の具にしてありますので、絵の具の粒子そのものは不透明なものです。しかし、細かく砕いた石を画面にバラバラと撒くのと同じ様に筆を使って塗って行くわけですから、当然その隙間から下の紙の部分が見えています。ですから目にはその絵の具の色と紙の色が混色して見えます。これだと都合が悪いので更に別の絵の具を重ねて行きます。すると紙の部分は少し見えなくなって新しい絵の具が隙間を埋めます。それを重ねて行く事で次第に紙の部分が見えなくなって行きます。丁度、河原が色々な小石で埋め尽くされるのと同じで、窪んだところに絵の具が嵌ります。つまり、上から重ね塗っても前に塗った絵の具が消えることは無く、ちゃんと表面に表れています。ですから、以前に塗った絵の具の色と次々塗り重ねた絵の具の色が混色して見えます。と言うことは逆に考えると、一度塗った絵の具はなかなか消えない(消せない)と言うことです。
ですから、草稿の段階で十二分に検討し、更に出来上がりのイメージを創り、どう仕上げて行くのかと言う事をその時に決めます。早く描きたいと言う一心から草稿を適当にして取りかかると中々仕上がらないと言う事になるのです。ですから日本画の草稿というのは単なる下絵ではないのです。

2020年3月2日月曜日

方針転換しました。


近江神宮に早咲きの桜が咲いていました。今年は暖かいので早く咲いた様です。

このブログでは絵のことは書かないと決めていたんですけど、たつの(兵庫)日本画教室の生徒さんや他の皆さんからも絵画に関する情報が欲しいと言われて方針転換して絵の事も折に触れて書いていくことにしました。日本画教室の生徒さんには絵画とは何ぞや?と言う事をずっと言い続け、又生徒さんも少しでも理解しようと努力してくれました。何を隠し立てする事もなく技法的な事などもどんどん伝えています。昨今のメディアが伝える所謂アートとは少し違う伝統的な日本画に対する考え方を喧しく伝え心がける様に教えて来たつもりです。

まあ、この我儘な先生によく付いて来てくれていると思います。特にたつの教室は25年を迎え、ほぼメンバーの入れ替わりも無く足取りは遅いものの着実に絵を描く楽しみを実感してもらっている様です。

僕の後は子供達も誰も絵を描いていく人がいませんので自分の持っている絵画の表現方法とかアマチュアだとは言え絵が好きで習っている方々の少しでもお役に立てるならと思っています。言葉で伝える事も難しいんですけれど少しづつでも判りやすくこのブログで書いていきたいと思います。

2020年2月4日火曜日

BOSE1905II を改良してみた


仕事の合間を見つけて暫く放っておいた事を少しばかり、、、

BOSE1905IIをいじってみた。、どうするのがベストなのかは判らないけれど取り敢えずコンデンサーを僕が一番気に入っている東進工業のUTSJを中心にして変えてみる事にする。

まあ、便利なもので通販でお願いしたら翌日に届きました。基板を取り出してコンデンサーを丁寧に取り外します。小型アンプはプリント基板がとにかく細かいのと弱いので丁寧に取り外さないとパターンを傷つけたり壊してしまいます。僕もうっかりパターンを捲ってしまって細い銅線で修理しました。老眼鏡をかけないと細かい所が見えなくなってきたので、こう言う作業もほぼ終了に近づいていると感じます。

それよりも基板に熱をもった形跡があったので変だよと思ったら案の定で、ケースとの接続面で放熱シリコンが充分でなくケースにうまく放熱できていなかったです。この辺りの製品管理の甘さが何ともです。せっかく素性の良い音なのに、こんな事では勿体ないですよ。

マイラーコンデンサーはこれも僕が好きなWIMAに変更、ただ自分の好きなメーカー製に変えただけです。まあなんだかんだ言ってもこれだけなんですけど随分気に入った音に化けましたねぇ。正直びっくりです。オーディオって何なんだろうとか思ってしまいます。確かに一音一音が分離してステージが広がるかと言うとそうでも無いんですけど音楽に引き込まれてしまう音です。これでも十分じゃね、と思ってしまいます。

なんか、気に入ったらまだ1台あるよと言うお話を聞いて頑張って左右別々に駆動してみたくなりました。