2020年5月6日水曜日

今日は膠の事でも。


折角の好天に恵まれた連休でしたのにコロナの影響で外へ出る事もままならず、なんともという日が続いています。庭の花だけは季節通りに綺麗に咲いています。今日は膠の事でも少し書いてみようかと思います。

学生の頃からの付き合いになりますけど、三千本、平膠、板膠、鹿膠、粒膠など種類は多いものの需要難とか材料難とか、最近は良い膠に出会わなくなりました。僕は今の所、粒膠を使っていますが、一番使い易いと言うか比較的安定した品質の様に思います。規格などがあるわけもなく製造所によっても強さなどが違うので自分で試すしか無いですね。他にもっと良いのがあるかも知れないのですけど

学生時代に先生の勧めなどから鹿膠を使い出して一番良いと思って長年使いましたが、何となく相性が悪くなって止めてしまいました(質が落ちたらしい)。教室の生徒さんにも粒膠を薦めています。そんな趣味で描いている生徒に本膠なんか使わせる事ないよ、と言う声も聞こえて来たりしますが、僕の教室では最初から本膠です。液体膠と言うのが市販されていて簡単で使い勝手が良い様に思われますけれど何ともこれが曲者でして、寒くても凝らないし暑くても腐らないというのですが接着力は弱いし、絵具を重ね難いしと何とも使いにくい。

そんな事から生徒さんには、面倒ですけど膠は自分で溶いて下さいとお願いしています。1、2時間位前に水か、お湯に浸けておくと簡単に溶けます。本膠を溶いた方が安心して絵を描けます。最初は何ccの水に何gですかとか聞かれて困ったんですけど、その内に自分なりの濃さを見つけてくれました。液体膠も使い道によっては良いのでしょうけれど。

膠を製造される方はただでさえ需要が少ないんですから、大変だろうと思います。僕が使っている粒膠もだんだん袋が小さくなってきました。需要が細って来ているんでしょうか。自分に合った膠を見つけると言うことすら難しくなって来た様です。かと言って大量に買いだめするのも考えもので、僕もやった事がありますけれど質が変わってくる様に思います。本来、日本画はゆっくり時間が流れていた時代に確立して来たものなので、手間が掛かる様に出来ているんだと思っています。写生ー小下絵ー草稿ー本紙と、一枚の絵を仕上げるのに最低でも三回は描いていく事になります。なかなか即席に、と言う訳には行きませんね。


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